商品デザインについて
~About design~

皆さまは”商品デザイン“と聞くと、どんな工程を想像しますか?

形や色をデザイン画として描き、素材を選んで実際の形にしてみる… というのが、一般的な商品デザインの工程ではないでしょうか。

そんな一般論から見ると、当店のデザイン工程は少し変わっているかもしれません。

なぜなら当店の商品には、デザイン画というものが存在しないからです。

存在しない…と言うことかっこ良く聞こえるかもしれませんが、実際にはただ"描くことができない"だけなんです。

「えっ、そんなに絵が下手なの?」
いえいえ、そういうことではありません。
これにはちゃんとした理由があるのです。

例えば、水彩画を描くとします。
パレットに絵の具を入れ、たくさんの色を使って真っ白な紙をカラフルにしていきます。
そんな中、ふと、こんなことを思い実際にやってみたことはありませんか?

この色とこの色を混ぜたら、どうなるのかな?」と。

手芸屋さんへ行かれたことがあればご存知かと思いますが、布生地にはたくさんの種類があります。
質感も色味も厚みも、種類の数だけ違います。
手芸屋さんの生地売り場は、まるでたくさんの絵の具が出されたパレットのように見えます。

そんなパレットで絵を描いていくように、選んだ生地を使って色々な形のパーツを作り出していきます。

「この生地でこの形を作ったらどうなるんだろう?」
同じ形のものでも、生地が違えば全く別のパーツに変化します。

「この生地とこの生地を組み合わせたら、どんな雰囲気になるんだろう?」
似た色味でも違う質感の生地を合わせるだけで、新しいパーツが生まれます。

「このパーツをもう少し小さく作ったらどう見えるんだろう?」
たった0.5mmでも生地を小さくしただけで、パーツの印象が異なります。

こうして、商品"開発"というよりは"実験"という言葉がしっくりくるような工程から、たくさんのパーツたちが誕生します。

そのパーツたちをバランス良く配置して「これだ!」という形を見つかれば、そこでオリジナルのコサージュのデザインが完成します。

当店では、こうした絵の具を混ぜてみるような実験を繰り返しながら、商品をデザインしているんです。

おそらく、最初にデザイン画を決めて、それに沿って製作しているだけでは、今のデザインの形には行き着いていないと思います。
なぜなら、開発をしている私たち自身が、パーツとの出会いに"未知との遭遇"をしているからです。

しかし私たちも、ただ闇雲に手探りで商品デザインをしているわけではありません。
製作の前、最初にしっかりと決めている芯があります。

それは、"商品のコンセプト"です。

素材や色味はコンセプトを軸にして選んでいるので、雰囲気は自然と統一され、テーマ性も深まります。
パーツの製作が"未知との遭遇"であっても、コンセプトという軸が存在する限り、テーマ性のある、他とはかぶることのないオリジナリティあふれる商品を生み出すことができるのです。

商品ページでは、冒頭でそれぞれのコンセプトをご紹介しています。
デザインされた商品を、ぜひコンセプトと合わせてお楽しみいただければ幸いです。

商品の素材について
~About material~

商品の素材はこだわって選んでいます

さて、皆さまはどんなこだわりを想像するでしょう。

例えばレストランだと、有名な産地の〇〇産の野菜を使っているので美味しいです!
洋服屋さんだと、〇〇生地を使っているので肌触りがいいです!とかでしょうか。

普通は"素材のこだわり"と聞くと、機能的な面でのメリットと結びつけますよね。

私たちも、もちろん素材はこだわって選んでいます。
しかし、機能的なメリットで素材を選んでいるわけではありません。

私たちは、商品の1つ1つにコンセプトを決めています。
そして、そのコンセプトから描かれるイメージを想像します。

どんな素材を使ったら、そのイメージを表現することができるのだろう。
手のひらサイズの小さなコサージュの上で、どんな世界を作ることができるのだろう。

決められた枠の中で1つの世界を作っていく…それはまるで、演劇を見ているようではありませんか?

そう、私たちにとっての商品開発は、演劇を公演するのと同じです。

演劇は、まず舞台という土台があり、セットや衣装、音楽という要素で世界が作られています。
そして物語を演じる人、キャストが動くことによって世界が完成していきます。
この「誰が演じるのか」ということによって、舞台の印象は大きく変わります。

私たちの素材選びは、演劇という世界を作り上げる"キャスト選び"なんです。

コサージュの土台という小さな舞台の上で、コンセプトイメージを最大限に表現するために。
そして、一目見ただけで感性を刺激できるような世界を作り出すために。

私たちは、素材選びを全力でこだわります。