「ほら、しっかり磨こう!」
「歯ブラシ持ってフラフラしない!」
「喉つくよ!危ない!」
「ちゃんと磨かないと虫歯になるよ!」

この言葉、今までどれだけ言ったでしょうか。
朝晩磨く歯みがきですが、間違いなく1日1回は注意する日々。
子供の歯みがきタイムは、私にとって結構地味にストレスになっていました。

だからと言って親が磨いてあげているだけでは、子供は成長しません。
自分でしっかりと磨いて、虫歯のないように歯をキレイに保つことは、とても大切なことです。
しかし子供の内は、「ちゃんと磨かないと虫歯になるよ!」なんてつい言ってしまうけど、親がちゃんと仕上げ磨きをしてあげるのが一番の虫歯予防になると思っています。

その思いが知らず内にプレッシャーとなり、ストレスにもなっていました。

そんな日々を続けていたある日。
何気なくテレビを付けていると、こんな言葉が耳に入ってきました。

「時間はかければいいわけじゃない。大切なのは、短い時間でもどれだけ集中したか、なんです。」

テレビの内容はおそらく勉強についてのことだったかと思うんですが、私はその言葉を聞いた瞬間に、なぜか子供の歯みがきのことが頭に浮かんだのです。

そういえば…と、冷静に思い返してみました。
子供たちが自分で磨いた後に仕上げ磨きをしてあげますが、自分で磨く時間の長さは親のさじ加減でした。
少しでも自分で長く磨いて欲しい…という気持ちから、感覚的に結構磨いてたと思ったら仕上げ磨きをしてあげますが、そんなにしてなかったと思ったら「もうちょっと磨こう」と言って、自分磨きを続けさせていました。

結果、長く集中できない子供たちは、あっちにフラフラこっちにフラフラ。
そして冒頭のような言葉で注意をしていたのです。

子供が集中してないのに長い時間磨いていて、はたして効果はあるのでしょうか?

「大切なのは短時間でも集中できる環境を作ること」
そう、歯みがきは、テスト勉強と同じだったんです。

さて、どうやったら集中できる環境が作れるだろう?
と、悩んでいた私の目に飛び込んできたのは、冷蔵庫のすみっこで使われず可哀想になっていたキッチンタイマーでした。

歯みがきって子供にとっては「やりたくないこと」に分類されますよね?
大人なのできちんとやりますが、私でも面倒に思うことがしばしばあります。
自分がやりたくないことをしているときに、終わりの時間の目安がわからないのは、大人でも苦痛ではありませんか?

例えば、「合図するまで正座して」と言われて1分後に終わりだと告げられるのと、「1分間時計を見ながら正座して」と言われて1分間正座する2つの行動。
結果的にはどちらも同じ1分ですが、感じ方は違うと思いませんか?
きっと、終わりの時間がわからない前者の方が、時間を長く感じるのではないかと思うんです。

「自分で磨く時間が明確になれば、集中して磨いてくれるようになるかもしれない」
そう考えた私は、このキッチンタイマーを歯みがきに使うことをひらめいたのです。

その日の夜。
歯ブラシを手に持った長女(5歳)と長男(3歳)を呼びました。

「今日から歯みがきするときには、これを使います!」
と言いながら、キッチンタイマーを見せました。
「えっ何?何これ!?」と興味津々の二人。

「これはね、歯みがきタイマーです」

と言いながら、キッチンタイマーにマスキングテープを貼り、「はみがきタイマー」とペンで書きました。
ただそれだけのことですが、「わぁ!はみがきタイマーだぁ!」と無邪気に喜ぶ二人を見て、なんだかうまくいきそうな予感がしました。

そして、

  • 1に合わせてスタートを押すこと(1分のこと)
  • 音が鳴ったら歯みがき終了で仕上げをお願いしにくること
  • タイマーが動いている間はタイマーの前でしっかり磨くこと
  • フラフラしたりしゃべったりしたら最初からタイマーをやり直しすること

この4つを約束させました。

この歯みがきタイマーですが、思いつきの割に色々な効果を生んでくれたのです。

まずは、タイマーの前でしか磨くことができない約束なので歯ブラシを咥えたまま歩くことがなくなり、「喉つくよ!」と注意することがなくなりました。
そして、親のさじ加減で割とダラダラしていたのを1分という短期集中型にしたため、歯みがきの時間も短縮されました。

歯みがきタイマーを使い始めてから、冒頭に書いた注意は一切しなくなったのです。
この効果、恐るべしです。
今では、祖父母宅へお泊りに行くときには歯ブラシとセットで持っていくほどなりました。
しかし、2回に1回は持って帰ってくるのを忘れるので、まだ定着とまではいかないようです。

ちなみに、仕上げ磨きはいつまでしてあげたらいいのかをご存知ですか?
私も気になって検索してみたことがあるのですが、「9歳まではしてあげましょう」という一文を見つけました。

当時、長女がまだ5歳なので、あと4年も…!?と軽くショックを受けたあたり、まだまだ歯みがきは私にとってはストレスのようです。